【ネタバレなし】『万引き家族』圧巻!全キャストのうねる演技!【レビュー】

2021年5月30日

manbikikazoku

出典:( (C)GAGA CORPORATION )

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*ジャンル:ドラマ
*キャスト:安藤サクラリリー・フランキー樹木希林松岡茉優
*監督:是枝裕和
*脚本:是枝裕和
*公開:2018年06月

*評価 (10段階):7
*ネタバレ:無

万引きで生計を立てる一つの家族。決して裕福とは言えない家庭だが、強い絆と深い愛は変わらない。

ある日、拾い子の幼い少女を新しい家族として迎え入れる。

誰しもが分け隔てなく愛を注ぐ様子には、観ていて自然と笑みがこぼれる。

そんな温かい家族にも、徐々に綻びが生じ始める。

無情な現実と、その家族の秘密とは。

引用元:【公式】『万引き家族』大ヒット上映中!/本予告 – YouTube


観た!良かった~~。

めちゃくちゃ良かった~~~。本当に演技が、全員の演技が本当に良い。

評価は7です。8にしても良いくらいで迷いましたが、7にしました。

一つ下げた理由としては、若干どんよりしてしまう(それくらい観ていて引き込まれる演技とも言える)のと、少し難しい部分があったかな…。

走って帰宅するくらい元気な時に観ましょう。DVDを返却する足取りは、おそらくゆっくりしていることでしょう。

やっぱりキャストが抜群ですね。樹木希林、安藤サクラはもちろん皆さんご存じの通りのめちゃくちゃ良い演技。

そこに松岡茉優。完全にノーマークだったんですけど、めっちゃくちゃ良かったです。私個人ではもう松岡茉優の演技でガッツリ持っていかれましたね。すごい。

リリー・フランキーは鬼気迫るような役柄の印象が意外と強いのですが、今回の、のらくらとした役も非常に合っていたし、もっと深掘りしていきたいなという印象。

子役の城桧吏くんは『ぼくだけがいない街』に出られていました。同じく子役の佐々木みゆちゃんは9歳。芦田愛菜ちゃんみたいにガンガン行ってほしいところです。

是枝裕和監督はドキュメンタリーも得意としています。

本作の、どことなくリアルな感じも、こうした経験が活きているからこそなのかなと感じました。

また、脚本の内容とかも日頃の役者の振る舞いとかを見てガンガン変えていくみたいです。すごいな。

それを取り入れていくからこそ出来上がった本作って感じがしますね。映画って深いですね。個々人を掘り下げていくと作品の本質に近付くようなところがある気がします。

こうして日常を取り入れる是枝監督、それについていく役者の方々、全員が揃ってこその高い評価だなと感じますね。面白い。


樹木希林の演技はもちろんだが…!

この映画は、2018年9月に故人となった樹木希林さんが出演しています。

公開が2018年6月ということもあり、当時は「樹木希林さん出演の映画」という印象が強かったです。[1]参考:『万引き家族』リリー・フランキー、樹木さんいなくなり「つまらなくなった」 – シネマトゥデイ

「樹木希林が出ている。」「パルム・ドールを受賞した。」くらいの前情報しかなく、正直あまり期待もしていませんでした。

ところが序盤の松岡茉優の演技で一気に引き込まれてしまいました。

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引用元:松岡茉優 staff ツイッター – Twitter

いきなり飛び込む松岡茉優の演技。正直ノーマークでした

お恥ずかしい話ですが芸能関係に疎い私は、松岡茉優に関して女優というイメージはあまりなく、どちらかというとタレントという印象でした。

唯一覚えているのは、CMで「そこはNTT東日本でしょ!社長!」と超至近距離で詰め寄る松岡茉優の可愛さ。[2]参考:「そこは、NTT東日本でしょ!」NTT東日本の中小企業向けサービスTVCM。企業の社員に扮した松岡茉優が上司にズバッと切り込みます。 – PR TIMES

松岡茉優に詰め寄られてNTT東日本にしない社長なんていません。ぜひ皆さんもご確認ください。そしてNTT東日本のことを、今後ともよろしくお願いいたします。

そんな具合で松岡茉優の出演も知らずに観始めたのですが、完全に松岡茉優の演技でシビれました。正直ノーマークでした。

序盤は松岡茉優のセリフも少なく無言の演技が多くあります。話が進むにつれて徐々にセリフが増えていくのですが、この序盤の演技。完全にこれで心を掴まれました。

「ビッグネームばかりの家族」を、松岡茉優が「よくある家族」に変える

子役を除いて、最初に飛び込んでくる家族には「樹木希林」「リリー・フランキー」「安藤サクラ」と、いわゆるビッグネームばかりです。

これだけ有名な人達が並ぶと、どれだけフィルターを外そうとしても、「樹木希林、リリー・フランキー、安藤サクラの演じる家族」の映画に見える時があります。

そこに加わる松岡茉優の演じる年頃の女の子が、「ビッグネームの演じる家族」を「よくある家族」寄りにグイっと引っ張ってくれるんですね。

松岡茉優の何も言わない演技が、ボソッと話す演技が、年頃の女の子すぎるくらい年頃の女の子なんです。これが凄く良かった。

予告動画にもある、拾い子と一緒に鏡を見ながら会話するシーン(予告では会話部分なしですが…)なんかは正にそれ。[3]参考(動画):【公式】『万引き家族』大ヒット上映中!/本予告 – YouTube

現実で、年頃の女の子が幼い少女と会話するシーンなんか見たことないのに、このシーンを見るとすぐ近くで起きている日常のように見えるんですね。個人的にはここでグッと掴まれちゃいました。

正直、序盤の松岡茉優の演技部分だけでももう一度観たいと思っています。ただ、このシーンに関して言えば子役の佐々木みゆちゃんの演技も良かったってことなんだよなぁ。ぜひ観てほしいです。本当に鳥肌が立っちゃいました。現実って感じがした。

余談ではありますが、私が自分を見失いそうになった時に、フラットに戻るために読んでいる記事があるんですよ。

それについて後で気付いたのですが松岡茉優さんの記事でした。凄く良い記事、ますます好きになりました。下記に一部引用いたしますので、よろしければ全文もご確認ください。

「しゃかりきにやらなくてもいいんだな、ということを学びました。みなさん、まわりからどう思われるかを恐れていないんです。私はもう、そればかり恐れて生きてきたから。同世代の役者が多いこともあり、負けないように自分のキャラクターを作り上げて、本来の自分とは違うふうに振る舞ったりしていた。でも、まわりがどんな受け取り方をしても、自分が間違っていなければいいんじゃないかなって、みなさんのお姿を見ていて思えたんです」

引用元:「何百回落ちても、めげたことはない」――松岡茉優を突き動かす悔しさ – Yahoo!ニュース

ドラマティックな安藤サクラの怪演に鳥肌が立つ

松岡茉優の演技も素晴らしいですが、安藤サクラの演技抜きで本作は語れません。

ごくごく普通の妻の表情から、鬼気迫る表情、涙を流すシーンまで、どれをとってもドラマティックでまさしく怪演そのもの。深みが必要な役どころでしたが、この安藤サクラの配役が綺麗にかっちりハマった印象です。

安藤サクラさんの役、意外と振り幅の大きいポジだったように思うんですよね。平均を取ればそこまで他の方々とは大差ないけど、振り幅の上と下を取った時の幅はめちゃくちゃ広い、みたいな。

瞬間的にガっと強い表情、途端にグッと弱い表情、そこがすごーく安藤サクラさんの良さが出ていて、まさに怪演と呼ぶに相応しい凄い演技だなぁと思っていました。

感覚的に、良い演技と怪演は区別して使っているのですが、松岡茉優は良い演技、安藤サクラは怪演って感じでしたね。なんだかぎょっとしてしまう演技でした。

安藤サクラさん、2018年の公開時に32歳なんですね。どことなく裏を感じさせる雰囲気と妖艶さ、すごいなぁ。かっこよかったです。

ネタバレ回避のためにストーリーへの言及は少ないが、もちろんストーリーも面白い。総合力で獲得したパルム・ドール

うっかりネタバレしてしまいそうで中々ストーリーには触れられませんでしたが、もちろんストーリーも面白かったです。

触れていない役者の方々それぞれの演技はもちろん、カメラワークから音楽まで、全てが綺麗だった印象です。

是枝監督!出演者!スタッフ含めて皆で獲得したパルム・ドールです!感動をありがとう!!ワンチーム!!(締め方だっさ)


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