【ネタバレなし】『ジョーカー』「創作物のキャラ」が「隣人」に!【レビュー】
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*ジャンル:ドラマ
*キャスト:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ
*監督:トッド・フィリップス
*脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
*公開:2019年10月
*評価 (10段階):7
*ネタバレ:無
ジョーカー。『バットマン』の悪役として有名なキャラクターだ。
気味悪い白塗りの化粧に赤色の唇。ピエロを連想させるその風貌と狂った思想は、他の悪役とは一線を画す。
本作は、今まで謎に包まれていたジョーカーの一生を描いた映画だ。
舞台となっているゴッサムシティは不況にあえぎ、法はまともに機能しない。
市民は、やり場のない怒りと不安で日々鬱屈とする。やがてジョーカーとなる男も例外では無かった。
ストーリーが進むにつれて、ジョーカーに対して抱くはずのない共感を覚え、映画の世界に没入していく。
狂った男が狂った世界で狂っていくさまを見て、観ている者は何を想うか。
引用元:映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開 – YouTube
観た!面白いです。
題材が題材なだけに常にどんよりとした映画なのですが気付いたら見入ってしまい、何故かジョーカーに感情移入してしまうんですよね。
評価7なので個人的には高い評価なのですが、8以上を付けるほどハマった訳でもなく、ただ手放しで「面白い~!!」って感じでした。「何故か感情移入してしまう。」みたいな所を高く評価される方にはめちゃくちゃハマるかもしれません。
少し鬱屈とした雰囲気なのでご覧の際にはご自身のメンタルとご相談の上で楽しまれることをオススメします。でも気になっているなら観てほしいです。ちょっとした新しい感覚の映画だと思います。
バットマンを観なくても楽しめるとは思いますが、何かしらでジョーカーを知ってから観た方がいいかもしれません。狂人のジョーカーが下地にあった方が楽しめるように感じます。
以下から、少し掘り下げて書かせていただきます。
狂人のジョーカーに感情移入する…?
この映画の面白いところは、やっぱりジョーカーに何故か感情移入してしまうというところが大きいです。
ストーリー自体に派手な展開はなく、一人の狂人が出来上がるまでのドラマ映画みたいなものです。そこにはジョーカーから連想される巧みな謀略や、アクション映画のような胸の高まりも含まれません。
ただ、ジョーカーという狂人のドラマを観ているはずなのに、だんだんと同情する気持ちを抱いたり、ジョーカーの心中を察したり、いつしか自分の心も共鳴する。これってすごく面白いことだと思うんですよね。
感情移入できると、その映画が面白くなる
感情移入できるかどうかって、面白い映画の必要条件な気がしています。(十分条件ではない。)
つまり映画を観ていて、あるキャラクターに感情移入できたらその映画を面白く感じてしまう。面白い映画に不可欠な要素ではありませんが、感情移入できたら観終わった後も心の中に何か残るような印象があります。
たとえば、2012年の日本映画、『桐島、部活やめるってよ』という映画。
出典:( (C)博報堂DYミュージック&ピクチャーズ )
この映画については評価が二分されているように感じますが、肯定的な評価にはいずれかのキャラクターに感情移入できた意見が多く、否定的な評価には客観的に観た意見が多かったように思います。[1]参考(ネタバレにご注意ください):『桐島、部活やめるってよ』レビュー – 映画.com
私も当時、どのキャラクターにも感情移入できず「こんなもんか~。」と思っていたのですが、周囲の肯定的な意見は皆、「Aの気持ち分かるわ~。」「Bを見てたら高校時代を思い出して。」といった意見ばかりでした。
そうした意味で、『桐島、部活やめるってよ』は感情移入できるかどうかで評価が分かれる、いわば分水嶺となる映画だと考えています。
本作は、感情移入できないはずのジョーカーに感情移入してしまう。そこが面白く、また、本作が高く評価されている理由じゃないかと考えます。
ジョーカーを「創作物の悪役」から「隣人」へ変える映画
今まで、ジョーカーに触れられる場面は『バットマン』のように、非現実的な創作物の中だけでした。非現実的な世界で、非現実的なヒーローであるバットマンと、非現実的な悪役であるジョーカーとが対峙する。
今まではバットマンもジョーカーも、スクリーンの中にしか存在しない創作物のキャラクター。
本作は、スクリーンの中にしか存在しなかったジョーカーを、身近な人を見るかのように見てしまう。そうした意味でも、ジョーカーを「創作物の悪役」から「隣人」へと変えてしまう面白い映画だと感じました。
難しい考察は不要!手放しで楽しもう!
ネタバレありのレビューで、「考察」だとか、「伏線」だとか、難しく考えている意見が散見されます。ただ個人的には、そんなに難しく考えることかな?と思ったりします。
私の感想では、「考察とか伏線とか、難しいことを考えなくても手放しで楽しめる!何も考えなくても何故か感情移入する!それが面白い!」くらいのものです。
考察の中には、『バットマン』の悪役であることから、他のバットマン映画との接続を考えたものなどがあります。ただ、アメコミ映画は権利関係などの大人の事情で単純に接続を考えられないものが多いです。
接続を明示されているもの(アベンジャーズシリーズ、クリストファー・ノーランのバットマンシリーズ等)以外は、パラレルワールドのように独立したものとして考えるべきです。
実際に、上述したような考察を見た友人が、「ダークナイト(クリストファー・ノーランのバットマンシリーズ)に出てくるジョーカーとの接続」をベースに考えて混乱していたのを覚えています。
友人
ぼく
友人
ぼく
友人
ぼく
もちろん、こうした考察をして観るのも一つの楽しみ方として否定しません。
ただ、そこに固執して話がよく分からなくなるくらいなら、頭まっさら・何も考えずに観て、「ぁーー、分かるわ~~。そうだよなぁ。」「うおー、そんな展開が。」くらいにシンプルに楽しんでもいいんじゃないかなと思います。
少なくとも難しいことが分からない私は、そういう見方をして楽しみました。おしまい。
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ではまた~。
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References
↵1 | 参考(ネタバレにご注意ください):『桐島、部活やめるってよ』レビュー – 映画.com |
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