【ネタバレなし】『カイジ2 人生奪回ゲーム』モンスターマシン「沼」は圧巻の再現度!【レビュー】

2021年5月30日

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出典:( (C)東宝 )

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*ジャンル:マンガ原作
*キャスト:藤原竜也生瀬勝久伊勢谷友介吉高由里子香川照之
*監督:佐藤東弥
*脚本:福本伸行山崎淳也大口幸子
*公開:2011年11月

*評価 (10段階):5
*ネタバレ:無

本作は、2009年公開の『カイジ 人生逆転ゲーム』の続編、映画版カイジ2作目となる。

原作でお馴染み、難攻不落のパチンコ人喰い「沼」を中心に、映画版オリジナルゲームとなる「姫と奴隷」を追加した脚本だ。

原作者の福本伸行先生が脚本に加わっている点や、巨大なモンスターマシン「沼」の再現度といった、原作とあわせた観点でも注目したい作品となる。

引用元:カイジ2~人生奪回ゲーム~(プレビュー) – YouTube


観ました~。大まかな感想としては、1作目に抱いたものと大差ありません。

ラストと言われている3作目次第では、観なくてもいいかなぁ。

評価は5としています。良かった点としては、「沼」の再現度が結構高かったですね。壮大な沼を実写で観られるっていうのは結構ドキドキしました。

また前作同様、原作のおさえなければいけないポイントはしっかりおさえていて、マンガの実写という意味では比較的良い再現度だったかなと思っています。

うーんと思ったポイントとしては、良くも悪くも「忠実な再現」止まりというか、もう一歩踏み込んでもらいたかったかなぁという印象があります。

以下から、少し掘り下げて書かせていただきます。


圧巻のモンスターマシン「沼」!実際に観られるのアツいな!

本作で取り上げられるゲームは、原作で言うところのモンスターマシン「沼」と、映画版オリジナルゲーム「姫と奴隷」の2つです。

したがって原作を知る立場としては、ストーリー自体の再現度もさることながら、モンスターマシン「沼」の再現度も気になるところです。

その点本作は、見事な再現度で期待に応えてくれました。期待していたとおりの姿でカイジの前に鎮座する、モンスターマシン「沼」。その姿はまさに圧巻の一言です。

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引用元:『逆境無頼カイジ 破戒録篇』 第16話「決戦の幕開け」

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引用元:カイジ2~人生奪回ゲーム~ 作品情報 – 映画の時間

原作に忠実な再現度!ありがたや~~。

本作は、原作者の福本伸行先生が脚本に加わっていることもあり、再現度は高かったです。

最近はかなり減ってきましたが、マンガ原作の映画って原作の重要なポイントを無視しがちなんですよね。

マンガで何巻にもわたる作品を2時間程度に収めることになるので、当然原作をカット・修正して映像化されます。

ただ、一見不要そうな部分をカットして、因果関係がめちゃくちゃになってしまうものが結構多い。

原作自体ムダなく作られていて、その上でより重要な部分を残したり、不要な部分を削ったり、そうしたシビアな工程を経て映像化されますが、マンガ原作の映画では「いやぁ~、そこ削ったら命懸けで頑張る理由無くなっちゃうよ~。」みたいなものが多い気がしています。

それゆえにマンガ好きとしては原作の再現度が高いという、ただそれだけで「ありがたや~~。」と聖地巡礼、八十八ヶ所周りたくなるわけです。[1]カイジとまるで関係のない参考:八十八ヶ所巡礼公式アカウント – Twitter

一番忠実に再現するのが「沼」編なの?

原作でメインどころとなるゲームは主に5つ。「限定ジャンケン」「電流鉄骨渡り」「Eカード」「地下チンチロ」「沼」です。

もちろん「ティッシュくじ」等、他ゲームもありますが、メインとなると上記5つに絞られるかと思います。

映画版カイジの1作目である『カイジ 人生逆転ゲーム』では上記のうち「限定ジャンケン」「電流鉄骨渡り」「Eカード」の3つを扱っています。

詳しくは以下の『カイジ 人生逆転ゲーム』のレビューをご確認いただけたらと思いますが、1作に3ゲーム収録となるため、クオリティが絶妙にしょっぱい。

原作で特に盛り上がる「Eカード」も、ちょちょっとやってチャッチャで終わる。独身男性の自炊並みにしょっぱい仕上がり。[2]塩入れとけばいいと思っちゃうよね。

一方、映画版2作目である本作で扱うゲームは、残る「地下チンチロ」「沼」の2ゲームのうちの「沼」となります。

実際にはオリジナルゲームとなる「姫と奴隷」も収録するため、本作では2ゲーム扱うこととなるのですが、「姫と奴隷」はあくまでサブの位置付けとなっており、実際には「沼」に殆どの時間を費やします。

たしかに原作を忠実に再現してくれることはすごく嬉しいです。

GANTZ大好きっ子だった私は、GANTZ原作の映画『GANTZ PERFECT ANSWER』で何一つアンサーが出なかったという重いトラウマがあるため、「原作を忠実に再現する」、ただそれだけで垂涎ものであるべきです。[3]「問い」はちゃんと立てた上でそれを放置し続けたって逆にすごいよね。

とは言っても忠実に再現するのが、よりによって「沼」か~、と少し思ってしまうのです。

確かに「沼」も面白いですが、他のゲームと比べたらやはり少しグダってしまうんですよね。

いくらカイジと言えど、パチンコがベース。うーーん、ワガママを言ってはいけないのは承知の上ですが、「沼」に約2時間費やすパワーを、「Eカード」に使うことは出来なかったのかなぁ。

地下チンチロを削って謎ゲーム追加

扱うゲームは前述のとおりですが、残るゲーム「地下チンチロ」についてです。

原作では「沼」への動機となるゲームが「地下チンチロ」となります。にも関わらず、「地下チンチロ」は思いきりカット。

ではどのように「沼」へ接続するかと言うと本作の冒頭部分。本作は、「地下チンチロのどんでん返しを起こした直後」から始まります。完全に「それアリ?!」状態。[4]ライターのARuFaさんが流行らせようとしていましたが、検索してもインスタグラムしか出てきませんでした。
出典:ARuFaさんのインスタグラム

「地下チンチロ」も「沼」も甲乙つけがたいですが、それにしても「地下チンチロ」の扱いがヒドすぎる。親でも殺されたんか。

本作オリジナルゲームの「姫と奴隷」も、サブゲーム的な扱いなので目をつぶるにしてもアガらないし、1作目から一貫して「力配分どうしちゃったんだ。」という気持ち。

原作5ゲームの内訳が、1作目に3ゲーム・2作目に1ゲーム・残る1ゲームは完全カット…。

何がどうでどうしちゃったんだ。嘘だ……夢だろ…これ…夢に決まってる……!
出典:『賭博破戒録カイジ』 第125話「灰燼」[5]ところがどっこい…夢じゃありません……!
出典:『賭博破戒録カイジ』 第125話「灰燼」

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引用元:『賭博破戒録カイジ』 第125話「灰燼」

シンプルに「記憶に残らない」映画

語弊を恐れず端的に表現すると、本作は「記憶に残らない映画」といった印象です。

記憶に残らない映画は山ほどあるし、映画版カイジ1作目とクオリティを比較すればどちらも大差ありません。

ただ、ボンヤリとした1作目からの続編でこれは苦しい。

映画版カイジに期待して観始める1作目。そこから雲行きが怪しくなり、結局ボンヤリした2時間。その続編で、残るゲームで楽しみにしていた「地下チンチロ」のオチから始まって2時間。ちょーっと苦しい。

ここまで観たので3作目も観る予定ですが、くぐれないほどに下がったハードルだけ、越えてほしい一心です。


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References

References
1 カイジとまるで関係のない参考:八十八ヶ所巡礼公式アカウント – Twitter
2 塩入れとけばいいと思っちゃうよね。
3 「問い」はちゃんと立てた上でそれを放置し続けたって逆にすごいよね。
4 ライターのARuFaさんが流行らせようとしていましたが、検索してもインスタグラムしか出てきませんでした。
出典:ARuFaさんのインスタグラム
5 ところがどっこい…夢じゃありません……!
出典:『賭博破戒録カイジ』 第125話「灰燼」