【ネタバレなし】『カメラを止めるな!』前情報シャットアウトして観てくれ!!【レビュー】

2021年5月30日

camerawotomeruna

出典:( (C)ENBUゼミナール )

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※本作未鑑賞の方には当レビューを読むことはお勧めいたしません。

*ジャンル:ジャンル迷子
*キャスト:濱津隆之しゅはまはるみ真魚秋山ゆずき長屋和彰
*監督:上田慎一郎
*脚本:上田慎一郎
*公開:2017年11月

*評価 (10段階):6
*ネタバレ:無?

舞台は廃墟となった浄水場。

一行はゾンビ映画の撮影に来ていたが役者は演技に身が入らず、苛立ちを隠せない監督。

切り替えるために休憩を挟んだ一行。監督が外の空気を吸いに出ている中、役者はその浄水場の「ある不吉な噂」を耳にする。

その時突然、外から大きな物音が聞こえてきて…。

引用元:映画「カメラを止めるな!」特報 – YouTube


観た!面白かった!!

公開当時から、かなーり話題になっていて、ウッカリ前情報でも入っちゃいそうな状況でしたが、なんとか回避して拝見することができました。

とは言え、やはり「どんでん返しが凄い」ということだけ知ってしまっていたので、どんでんが返るまでが待ちになっちゃった感じが残念。

ジレンマですよね。有名になって然るべきなのに有名になると美味しいところが減るっていう。でも、そこを踏まえても面白かったです!ほんとに。観れて良かった~~。

※↓文字色「白」にて多少のネタバレを含みます。ご理解いただけた方のみご覧ください。

ジャンル、ドラマあたりですよね。ただ、ドラマに入れると他のドラマ映画探しを目的にしていた方がタグでうっかり『カメラを止めるな!』を見つけちゃうのを防ぐためにジャンル迷子にしました。ドラマの中でも良いドラマの方ですよね。ここにしか書けないですけど。

評価は6としました。先ほども記載したように、どんでん返り待ちが3分の1っていうところで少し長かったかなぁ。(90分尺の30分が前フリ)

でも、これもどうしようもないよなぁ。話題になる前にすぐ観たかったな。

以下から、少し掘り下げて書かせていただきます。


登場人物の「誰でもない」感がサイコー

本作拝見後にキャストの方々をひと通り調べさせてもらったのですが、私が既に拝見しているドラマ・映画等に出られている方もいらっしゃるんですよね。でも正直、本作のキャラクターと全然結びつかない。

もちろん低予算映画ってところもあるとは思いますが、B級映画っぽい、ちゃっちぃ感じがあってこそ後半のどんでん返しが活きると思うんです。

その点本作は、登場人物が全員「誰でもない」といった感じ。何処となくイモっぽいというか、本当にそのへんで作ってそうな雰囲気。でもそれがいいというか、それでこそイケてると思うんです。それがサイコーで。

実際に真魚さんが演じた映画好きの女子大生。本当に身近にいそうな、可愛いというか、なんかおぼこい感じの普通の女子大生で、それがめちゃくちゃハマってたんですよね。

でも真魚さんの他の画像とか見ると、抱いていたおぼこい印象とは裏腹に、凄く綺麗で大人っぽいんですよね。その感じがもうテンション上がっちゃって。

全員がキムタクではない、深キョンではない、誰でもない、けど誰かではある。そんなダサカッコいい感じが僕は大好きでした。

Mao from "One Cut of the Dead" at Opening Ceremony of the Tokyo International Film Festival 2018 (44894538644)

引用元:Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

話題になって然るべき、しかし話題になると美味しさが減るジレンマ

こればかりはどうしようもない気はするんですが、この映画自身がある矛盾を抱えていて、それ故に美味しさをマックスに味わえないんですよね。

本作の大ヒットからも分かるとおり、内容は大ヒットして然るべき、話題になって然るべき作品であることは言うまでもありません。

ただ同時に、初見殺しみたいな要素も大きい作品なんですよね。粗末な低クオリティ映画だと思って観ていたら、実はめちゃくちゃ凄い映画だった。それで盛り上がって第二波の人々が観る時には、「何かある、何かある」と観てしまう。

仮に「どんでん返し」の存在を知らないとしても、盛り上がりを知った時点で「何かがある」と思って観てしまうんですよね。だって粗末な低クオリティ映画が盛り上がってる時点で、何かがないとおかしいんだもん。

それこそまさに本作の抱えるジレンマで、美味しさをマックスに味わえないこと、マックスに味わえない人が沢山いることをとても残念に感じています。

私個人が美味しさをマックスに味わえなかったことはまだ許せるんです。ただ、個人の映画に対する評価って、「自分の中の期待値」との差で測ることが多いと思うんですよ。

期待して観たらそれほどだった。期待して観たのにその期待を越えて面白かった。期待せず観たら想像以上に面白かった。

仮に同じ作品でも、個々人が「期待値の線」を何処に引いて観るかによって、それぞれの評価は大きく変わると考えます。

そうした意味で、「何かある、何かある」と、高く「期待値の線」を引いた人たちのラインを越えられず、本作に対して低い評価が付いてしまうことが悔しいのです。

空前の大ヒットによって報われた作品ではありますが、そうした取り零しの低評価も余さず拾って欲しいくらい良い作品だと僕は思うのです。

効かせすぎのフリが吉と出るか凶と出るか

冒頭でも述べましたが、「どんでん返しのある作品」として観ると、前フリ部分が少し長く感じます。

時間で見ると全体で90分の尺のところ、最初の30分が前フリになります。

その前フリを「よく効かせている」と捉えるかどうかで映画自体の印象も若干変わるかな。個人的には少し冗長に感じました。

やっぱり何か起きると知っていることもあって、「まだか?まだだよな?この感じまだだよな?というか、まだまだじゃね?これだとまだまだじゃね?」みたいに少し前のめりになっちゃったんですよね。

本来そうあるべきではないのは分かっているけれど、やっぱり心の何処かで「何か」を待ってしまう。そうなると、3分の1が前フリは少し長かったかなぁ。

めちゃくちゃ落としてからめちゃくちゃ上げてくれるけど、地面に落として空に飛ばすとかのレベルじゃなく、地底にめり込むくらい落としてから思いきり空まで飛ばしてくれる感じ。

その地底にめり込んでいる間を我慢できれば、後はもの凄い気持ちよさで飛ばしてくれるだけなので、前フリをどう捉えるかでも結構印象は変わります。

いずれにしても何かあることを知らずに観られるのが一番良い状態だと思います。

長い刑期を終えて出所した方が、初めに観るのに適した映画です。(そうなるんですか?)


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