【ネタバレなし】『孤狼の血』エグすぎるバイオレンス描写にも、宿る魂!【レビュー】

2021年5月29日

koronochi

出典:( (C)東映 )

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*ジャンル:任侠
*キャスト:役所広司松坂桃李真木よう子阿部純子、滝藤賢一江口洋介嶋田久作石橋蓮司音尾琢真ピエール瀧中村倫也
*監督:白石和彌
*脚本:池上純哉
*公開:2018年05月

*評価 (10段階):6
*ネタバレ:無

広島県。五十子会・加古村組と尾谷組の抗争は、長らく続いた均衡を破り、大きな衝突へと向かっていた。

敏腕だがダーティな捜査手法のベテラン刑事大上と、キャリア組の若手刑事日岡は、大上の方針のもと、その衝突を回避する術を模索していた。

真面目で正義感が強く、不正を見逃せない日岡は、強引すぎる大上の捜査手法に不満が募る。

「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ。」

均衡、衝突、不正、正義。数多の葛藤が、導き出す答えとは。

引用元:映画『孤狼の血』予告編 – YouTube


観た!ドあたまからめちゃくちゃエグい描写入って一気に引き込まれた!

グロ苦手な人は完全に無理なタイプの映画ですね。「おぉっ、結構イくなぁ!」みたいなインパクトある描写がよく出てくる。

評価は6としました。ストーリーについてはよくある任侠映画な感じなので、特別言及することも無いのですが、松坂桃李の演じる日岡のキャラクターに、うーーん、ちょっと寄り添えなかったかな。

描写のインパクトとか迫力の演技が下支えしてくれているものの、それが無かったらもうちょっと下げてたかもしれないくらいには日岡の感じがしんどかった。

以下から、少し掘り下げて書かせていただきます。


スタートからドギツいエグ描写!いきなり心掴まれます

本作については、「出だしから超えげつないよ!」と風の噂(どんな風だよ)で聞いていたのですが、想像の倍くらいのえげつなさからスタート。

グロ大丈夫なので、個人的にはこの出だしでいきなり心掴まれました。いいよね。

白石和彌監督は、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』なども手掛けており、生々しいグロさも納得といった感じ。

その後も随所に出てくるエグい描写は、少しお決まりの展開になりがちな任侠映画のストーリーに抑揚を付けてくれて、非常にマルといった具合でした。

ベテラン役所広司からルーキー松坂桃李へ。濃淡ある二色の演技は必見

本作は刑事役の役所広司、松坂桃李を軸にストーリーが進みますが、二人の演技がとても良い。

役所広司は、小松菜奈の鮮烈デビューでお馴染み『渇き。』狂ったおっさん役をやっていますが、本作も「アウトローな刑事」というちょっとぶっ飛んでる役で非常に良かったです。

悪めの役が板についている役者さんって、もう基本的にそっち側の役がメインになるじゃないですか。[1]ピエール瀧とか、ピエール瀧とか、マイナーどころで言えばピエール瀧とか。

同時に、リリー・フランキーであったり、岸部一徳であったり、悪い役も良い役も両刃でこなせる人って、悪役の時も物静かに恐怖を感じさせるような演技をされることが多いように思います。

その点、役所広司は「ギンギンにアウトローだけど渋くてカッコイイ役」も気迫のある演技が立ちますし、「まともなおじさん役」もいぶし銀のようにキラリと光って面白いなぁと感じます。

松坂桃李も、2017年の『不能犯』や、2018年の『娼年』と少しずつ映画での活躍が目立ってきていますが、本作でも良い演技をされています。

善かれ悪しかれ、先輩刑事のアウトローさから色々な影響を受ける訳ですが、その流れからの終盤の演技は特に良かったです。

他のベテラン勢の演技もとても良かったです。石橋蓮司とか、もう本当に悪い爺ちゃんにしか見えないもんなぁ。

松坂桃李の演じる日岡に、少し寄り添えなかったかなぁ

「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ。」と怒鳴って、言葉通りなんでもやる大上と、高学歴の新人日岡のコンビ。

この新人の日岡はバカ真面目で、大上のアウトローなやり方が気に入らない。

それ自体は良いのですが、日岡は「高学歴だけど勘が悪すぎる」し、「抜けキャラとして見るにはお高い感じがする」といった具合で、観ているのが少しストレスでした。

空回っても全然構わないけど、「やっちゃった…」みたいになった時に、こっち側の気持ちとしてはあまり寄り添えないんですよね。

こういうキャラクターって

  • めちゃくちゃ優秀(半沢直樹)
  • 何処か抜けている(リーガルハイの新垣結衣)

の、どっちかタイプじゃないと厳しいんじゃないかなぁと個人的には思っています。

バカ真面目で頑固すぎるけど、その優秀さでグイグイのしていくのが半沢直樹だし、それと真逆で、勘が悪くて邪魔しちゃう、それでも「もう本当にお前はそういうところあるよな~~」って受け入れられていくのが、リーガルハイの新垣結衣って感じに思っています。

その点、本作の日岡はバカ真面目で頑固な高学歴、しかも作中でもやたら高学歴って設定をプッシュ、プッシュで半沢直樹ルートかと思いきや、すげー勘が悪い。[2]プッシュ、プッシュで思い出すのは、やっぱり皆「宅録ラッパー BST」だよね。
参考(動画):仕方なく志人、TABOO1の「禁断の惑星」を聴く。友達がどうしても聴いてくれとうるさいので、仕方なく。

おそらく「バカ真面目」のイメージを定着させたかったんだとは思うのですが、それにしても作中でそんなに高学歴をプッシュする必要はあったのかなぁというのは少し疑問です。

やらかしがデカすぎるって言うのもあるけど、やっぱり寄り添って慰める気にならないんだよなぁ。と、そこは少し残念でした。


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References

References
1 ピエール瀧とか、ピエール瀧とか、マイナーどころで言えばピエール瀧とか。
2 プッシュ、プッシュで思い出すのは、やっぱり皆「宅録ラッパー BST」だよね。
参考(動画):仕方なく志人、TABOO1の「禁断の惑星」を聴く。友達がどうしても聴いてくれとうるさいので、仕方なく。